takuyo日記

小説に毒されています

2/21

コーヒーを飲んで部屋に戻ると、リビングに集う家族の声がうるさくて、ふたたび12時頃まで眠ることにした。浅い眠りだった。なんだかよくわからない夢をみて、起きると、とても寂しい気持ちになっていた。

とても寂しい日だった。生まれたときからずっとこの寒さが続いていたような気がし、これからもずっと続くような気がした。誰かに温めて欲しいと思ったが、それすら面倒な気がした。末期だった。本を読んでも、書いても、声に出してフランス語を読んでも映画を観ても、すべてが乾いていた。たまたま、一昨日アメ横で買ったバナナチップが大量にあり、それをつまんでいるときはすこし嬉しかった。バナナチップ。愛おしい黄色のおやつ。

夜になると、大事な人から連絡が来て、今日なんだか寂しかったことを伝えた。それで終わり。体温で埋めてもらうのではなく、伝えるためだけにある寂しさというものが、あるのかもしれない。