takuyo日記

小説に毒されています

部屋は紫色

本格的にドゥルーズを読み始めて約半年になる。昨日『意味の論理学』の上巻が読み終わって、『差異と反復』からの変遷が徐々に頭の中で形作られていく。まだわからないことの方が多いが。

器官なき身体」についても、まだ本格的に語られていないのだが、しかし少しずつその実態に迫れてきた気がしている。といっても匂いがしはじめたぐらいのことだが、それでも不思議なことだ。ずっと名前を知っていて、かつ世間的にも有名で、生成とか身体とかさまざまな用語を耳にした哲学者の著作と、ひとつひとつ初めての出会いを重ねていくというのは、そもそもからしてなんだか不思議だ。

『差異と反復』を読みはじめたあたりからずっと、浮かんでいるあるイメージがある。それは僕が前に住んでいた部屋のロフトで、布団を敷いて天井に向かって仰向けに寝転んでいるシーン。布団はその頃付き合っていた人が買ってくれたマットレスのおかげで厚みがあり、包容力がある。それが観念。そしてすぐ近いところにある天井が、身体。僕は観念に背中を密着させながら、ぐうっと引き寄せられるように天井に、つまり身体へと昇っていく。幽体離脱みたいに。あるいは、熱を出して周囲の遠近感が狂ってしまった子供の頃みたいに。時期は夕方で、あたりにはなぜか紫色の光が満ちている。